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TIC運動とは、Teens=10代の少年少女が、In
Community=地域の中で、自発的・自主的にボランティア活動に取り組むことができるよう支えていく運動です。TIC運動では10代のボランティアを「ティーンズボランティア」と呼び、彼らを支える大人のボランティアを「サポーター」と呼びます。 |
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●参加できる人= |
10代の少年少女(だれでも参加できます。1人でも、友達と一緒でも参加できます)。 |
●活動内容= |
自分の暮らしている地域でボランティアグループをつくり、自分たちで計画を立てたボランティア活動を行います。 |
>>参加希望者のお問い合わせ |
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●参加できる人= |
大人(男女を問いません。よりよい地域づくりにご協力いただける方)。 |
●活動内容= |
ティーンズボランティアを支援するための研修を受けたのち、彼らの活動に対してよき相談者として応援していただきます。 |
>>参加希望者のお問い合わせ |
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【1】 |
募集活動を行います |
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徳島県内各市町村の社会福祉協議会が、それぞれの地域でティーンズボランティアを募集し、地域のティーンズボランティアグループをつくります。 |
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【2】 |
活動計画を立てます |
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ティーンズボランティアグループは自分たちがどのようなボランティア活動を行うか、活動計画を立てます。 |
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【3】 |
サポーターが支援します |
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ティーンズボランティアの活動内容に対して、サポーターがさまざまな支援をします。 |
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【4】 |
ボランティア活動を行います |
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ティーンズボランティアが中心となり、サポーターや社会福祉協議会のボランティアコーディネーターの応援のもと、ボランティア活動を行います。 |
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次のようなテーマの中からティーンズボランティアが自分たちで自由に内容を考えて、活動します。
●環境の保全や美化活動
●文化活動の伝承や創造
●三世代交流や国際交流
●福祉施設・文化施設への訪問活動
●災害防止
●郷土文化の自慢ガイド活動
●その他 |
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徳島県内すべての市町村社会福祉協議会が、TIC運動に取り組むことができるよう、とくしまボランティア推進センターでは、次の事業を展開しています。 |
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ティーンズボランティア交流会
日頃、それぞれの地域でボランティア活動に取り組んでいるティーンズが、地域を越えて、お互いの活動の情報交換ができる場を提供しています。 |
ゲームで親ぼくを深めるティーンズ |
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防災センターでの消火器訓練 |
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サポーター研修会
ティーンズボランティアの活動を、見守り、支える大人を対象に研修会を開催しています。 |
意見交換するサポーター |
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大学講師による講義 |
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ティーンズボランティア報告会
各地のティーンズボランティアグループが集まり、1年間のティーンズボランティア活動を、ティーンズグループ自身が発表します。 |
1年間の活動をみんなで発表 |
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雨乞い踊りの様子を報告 |
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木谷 宜弘 きたに よしひろ
1924年〜2012年
小学生の頃よりボランタリズムの薫陶を受け、後に徳島県社会福祉協議会在職時に「善意銀行」を誕生させる。以来、全国、そして海外へと東奔西走しボランティア活動の普及に尽力する。淑徳短期大学教授、福山平成大学教授を歴任。2000年、郷里徳島に戻り「ボランティア研究所」を開設し、十代の少年少女が地域の中でボランティアに参加するTIC運動を推進した。
>> 木谷宜弘資料館
孤児の父、石井十次は「孤児よりも不幸なのは心の迷い子である」と看破しています。昨今「心の迷い子」が激増しています。特に十代世代の混迷ぶりは目に余るものがあります。十代世代が引き起こす、あるいは巻き込まれる事件が連日のように報道されているのは悲しい限りです。国は次世代育成支援策を打ち出し、また心ある市民たちによって「子育てネットワーク」づくりが広がろうとしています。しかし、いずれの対象も就学前児童あるいは小学低学年であり、十代世代へのそれは皆無に近い状態です。
十代は思春期と呼ばれ、また心の葛藤に苦闘する年代だと言われています。無条件の愛情を注ぐ親たち、学理の指導に情熱を注ぐ教師たちがいます。しかし、未知の世界へ旅立つのは十代世代自身であり、自分探しと立志への旅立ちは、他から与えられるものではありません。自らの力で自分なりの羅針盤を手に入れるには、さまざまな困難に立ち向かい、時には傷つき、時には自分の不甲斐なさに葛藤する。その過程は大人へと変身するために、誰もが一度は通らねばならないトンネルです。そのトンネルの中で、もがき苦しみ、大人社会の矛盾を感じながらも、地域社会の一員としての自覚と、課題解決へと挑戦するたくましい市民として育っていく道程であることには違いありません。
TIC運動のめざすものは、第一に「ティーンズボランティアが主役」であることです。十代になっても家庭や学校では、受け身に立つことが多いと言えます。かつて「指示待ち人間」の大学生が増えていると問題視されました。また、最近では温室育ちの中で、他に寄生することに甘んじる「パラサイト型人間」が増えているという指摘があります。それらの底辺には若者の自己中心、責任転嫁、欲望肥大など大人に成長しきれていない発達性の問題が存在します。これらは、いずれも現代青少年に見られる負の側面です。しかし、自分探しのためにボランティア活動に参加し、その活動を通じて発見した地域社会の課題と果敢に取り組んでいる十代世代の姿があることも否定してはならないのです。
本県には子供民生委員活動というモデルがあります。全国で1万5千を越える小・中・高校が実践しているといわれる「福祉教育協力校」の源流といわれるもので、全国に誇ることのできる足跡を持っています。その発祥は終戦直後の昭和21年で、小学校高学年生と中学生が「すべてのお友達を幸福にしましょう」というスローガンのもと、地域におけるさまざまの課題に取り組んだ実績があります。その実践は県下全域に及びましたが、経済成長期、受験戦争の影響によって衰退し、現存するのは石井町藍畑小学校のみとなりました。しかし、その実践は今日なおTIC運動のめざすモデルとして輝きを失っていません。
本運動がめざす第二は十代世代の支援者「サポーターの協力態勢づくり」です。子供民生委員活動には大人の民生委員がよき相談相手として温かい手を差しのべました。TIC運動を支援するサポーターには、指導者としてではなく、ボランティア活動への誘い手として、また相談の相手として、またよき理解者として、側面からの惜しみない応援が期待されています。そのために県・市町村社会福祉協議会が主催する研修会へぜひ参加し、十代世代の心理とサポート手法について学んでほしいと願います。また、サポーターたちがまとまって、「十代世代が育つ地域ネットワークづくり」を推進してほしいと思います。
めざす第三は十代世代が「地域社会でのボランティア活動」を十分と実体験できることを保証することです。十代世代が自己発見と社会の担い手としての自覚をもつために通らなければならない「トンネル」に相当するのは「地域社会」そのものです。換言すると、十代世代が育つ栄養素を豊富にもつ存在が「地域社会」だということです。
その栄養素の一つは、自然環境です。自然にふれることで、生命の誕生と喪失の連鎖を実感することができます。人為を越えた自然の力に接し、自然への畏敬を悟り、また自然環境保全の重要さに気がつくことができます。
栄養素の二つめは、先人が築いた文化財が存在することです。その文化財にふれることにより、先人の偉大さを知り、その知恵と努力に多くのものを学べます。また、それらの文化財を伝承する大切さを知り、新しい文化を創造する意欲に駆り立てられます。
栄養素の第三は、地域に多様な人々が生活をしていることに気づき、それらの人々と触れ合うことによって、人間関係能力を磨くことができることを知ることです。とくにハンディキャップとつきあいながら雄々しく生きている人の存在や生活の知恵袋を持った高齢者の方々から学ぶ機会を数多く持つことです。また、自分より年下の子どもたちへ、構えることなく優しさをもって接することのできる体験を身につけることができる場でもあります。それは「子ども笑うな来た道じゃ。年寄り笑うな行く道じゃ」を体感できる唯一の場といえます。
十代世代にとって地域でなくては学べないことが多くあります。また、学んではならないことも多くあります。その現実に立ち向かうことによって初めて体得し、アイデンティティをわがものにできるのです。昭和35年の所得倍増政策に続いて、日本列島改造政策へと経済成長最優先の道を歩むうちに、多くの大事なものを失いました。その中のひとつに地域崩壊があります。それは十代世代にとって大きな痛手です。地域でなければ学ぶことができない、その地域環境が失われているからです。
敗戦後、日本人は焦土と貧困から起ち上がりました。その時に、子供民生委員が発揮した力に、多くの県民が勇気づけられ、十代世代と大人の参画によって地域復興が前進しました。昭和23年、県下1万人の子供民生委員の提言で、国内外の子どもたちが平和を祈願した小石を集め、子どもたちから寄せられた拠金額36万円によって、子供平和記念塔の実現を見ました。障害児施設設置運動の先頭に立ったのも子供民生委員でした。遅刻を常習としていた阿波人に警告を発して旧徳島駅舎に大時計を設置したのも子供民生委員でした。食料難のおり、欠食児童を無くする運動に起ち上がったのも子供民生委員でした。
十代世代のもつ可能性はすばらしいものがあります。十代世代の参画による地域づくりのために、県民の総力でTIC運動と取り組むことを切に期待します。 |
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